質問 成人になってからピーナッツアレルギーが判明した場合、治療は難しいでしょうか。
山田先生 幼児期に発症している方よりは、やはり治りにくいと思います。ただ、講演でもピーナッツアレルギーに関して新しい治療法をお話ししましたが、海外はピーナッツの摂取量が多いので欧米を中心に研究が進んでいて、パッチの治療薬が出たりしています。治るまではいかなくても寛解に近づけていく治療が進んでいく可能性は高いと思います。
山口先生 成人のアレルギーは確かに寛解が起きにくく、今後進歩してほしいと私も思います。
質問 発達障害の子どもたちは、学校に通って給食を食べることで食が広がり、初めての食品を食べる機会があります。学童期の子どもたちも保湿スキンケアがアレルギー予防につながるのでしょうか。
山口先生 発達障害の子どもたちに限らない、スキンケアとアレルギー予防についてのご質問です。
山田先生 学童期についてはいろいろな研究がなされていて、保湿がどのくらい予防につながるかということはまだ研究の最中です。ただ、少なくとも皮膚からの感染を防ぐことはアレルギー全般的に重要だといわれていますので、保湿だけでいいのか、もう少し積極的対応が必要かの議論はありますが、重要であることは確かです。
それから発達障害の方の場合、アトピー性皮膚炎の治療に苦慮するケースが多いということがあります。発達障害の方は皮膚の治療後のケアが難しいことがあるので、より皮膚の治療をしっかりしないといけないと思います。
質問 食物アレルギーがある場合、アトピー性皮膚炎がなくても食品が肌に触れることで皮膚にアレルギー反応が出るケースはありますか。
山田先生 きちんとしたエビデンスに基づいてはいませんが、そういうことを経験することはしばしばあります。症状の強さという意味では、少し赤くなる方から膨疹が出る方までいますが、食物そのものの刺激で皮膚が赤くなったりすることもありますので、本当にアレルギーかどうかの判断は難しいです。ただそういう経験をすることはよくあるので、食品が肌に触れることで皮膚にアレルギー反応が出るケースはあると思います。
山口先生 食物がいろいろな経路で入ってアレルギー症状を起こせば食物アレルギーと扱われますね。
質問 保育園や街中など、エピペンを持っていない状況で食物アレルギーが発生した際の対応を教えてください。
山田先生 重症度や症状次第だと思います。講演の中では皮膚症状が多いと話しましたが、皮膚以外の症状が出ている方や急速に症状が進む場合は、早く対応したほうがいいケースが多いので、早めに救急車を呼んでください。薬剤を飲んで効果がなければ救急車を、などと言われることもありますが、急速に症状が進んでいることが認められた場合には早めに救急対応をするのがいいと思います。
山口先生 そうですね。救急車を早く呼ぶのは大事です。エピペンを持っている人に関しては、医者が乗っていない救急車でも救急救命士の判断でエピペンを打つことがあります。
質問 小学3年生の子どもに小麦を原因とする食物依存性運動誘発アナフィラキシーがありますが、本人はアレルギーを受け入れられず、朝食にパンを食べた日も走ってアナフィラキシーを起こしてしまいます。子どもにどう働きかけたら良いか困っています。
山田先生 子どもたちの診療の中では、子どもたちが言うことを聞いてくれないということをよく経験します。私たちが大事に思っているのは、あくまでやはりお子さんがどうしたいかなのです。保護者の方にもいろいろな希望はありますが、私はお子さんの主治医なので、お子さんがどうしたいかを大事にします。
運動が大好きで運動のほうを優先したいのであれば、運動前に食べるのをやめてもらいます。逆に、食べるのが大好きであれば食べた後は運動のほうを休んでもらう。あくまで患者さん本人の希望をちゃんと聞き出して対応するように心がけています。
(2025年6月8日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 門井)










