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    第653号

    ぜんそく体験記
    辛さを越えて、歩き続けて見えた未来

    A.K

    体も心もしんどい中で、いつか良くなると信じて

     発症は中学3年生の時でした。発症当時から咳が出たり、息が苦しかったり、時々ゼーゼー喘鳴もあるような状態でした。発作を頻繁に起こしている状態のまま高校に入学しましたが、発作が治まらず、入学後すぐに入院することになりました。
     症状がいちばんひどかった時、学校や家族は理解がありませんでした。学校の保健室の先生から大袈裟と言われ、傷ついたこともありました。ただ、病院の先生や看護師さんたち、学校のカウンセラーさんが味方でいてくださいました。
     まわりの方もあまり理解してくださっている感じもなく、病気のことを人に言うことが辛く感じたこともあり、見た目だけで元気そうと判断されて誤解されることが辛く感じてしまうこともありました。受験も控えていた頃で、とても辛く、毎日泣いていました。
     日常生活では、学校は遅刻や早退を繰り返し、夜も救急外来に駆け込むこともありました。習い事や塾にも行っていましたが、いつも体と心はしんどい状態でした。それでもいつか良くなると思って過ごしていました。

    治療薬を見直し、体力をつけ、寛解へ

     良くなったきっかけは、入院を機に行った薬の見直しと、高校生の時に吹奏楽部と合唱部に入部したことです。お腹から声を出したり、息を吸ったり吐いたりを繰り返したのでそこから体力もついてきて、薬の量と発作も減っていきました。また、私立高校だったこともあって保健室の先生、担任の先生の理解もあり、充実した3年間を過ごすことができました。
     大学も、いろいろな思いをしながらも、4年間充実した生活を送ることができました。大学には看護師さんがおられ、また学校医として呼吸器内科の先生と糖尿病内科の先生がおられたので、いつでも相談できる体制があり、近くに病院があったので発作時は受診できる態勢にもありました。
     ただその頃も、完治しないことに対してまだまだ受け入れ難い気持ちがあり、いつか治るとは思っていましたが、大学を卒業して間もなく大発作に近い発作を起こし、悪化してしまいました。その時に、もう一生この病気と付き合っていかないといけないのだなと感じました。
     高校生から大学を卒業するまでは、シムビコートと飲み薬で治療をしていました。後に飲み薬を減らしてシムビコートのみになりました。大学卒業後に大きい発作を起こしてからはテリルジー、モンテルカスト、ビラノア、バイオ製剤であるデュピクセントを使用していました。
     その後、カンジダの副作用が食道まで及んでいたことから薬を変更し、現在はシムビコートとスピリーバの併用と、モンテルカスト、ビラノア、デュピクセントを使用し、上手にコントロールができています。
     今ではフィギュアスケートやバレエなどのスポーツをすることもでき、仕事もプライベートも全力で打ち込めるようになりました。

    現在を大切に、充実した未来へ

     仕事やプライベートを充実したものにするには、薬をきちんと使う、定期受診は怠らない、重症化を抑えることができるのでインフルエンザなどのワクチンは接種する、そして、病気に対する知識をつけることや自分の状態をわかっておくことが大事だと思っています。運動も、できるならしたほうがいいと感じています。あとは主治医や看護師さんに自分の考えていることを伝えることが大事だと思っています。
     今後は海外の医学部を受験して、ヨーロッパと日本の医師免許を取得し、日本と海外とを行き来する生活を送りたいと思っています。昔お世話になった先生方の背中を見て育ってきた背景もあるので、今お世話になっている先生方とともに、アレルギーや呼吸器疾患で闘病している方のお役に立ちたいと考えています。
     また、子どもを授かりたいと考えているので、薬に関することなど、主治医ともよく話し合う必要があると考えています。

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