質問 : 16歳の男性です。自分でちゃんと治療に取り組めるようになってから良くなってきたことを実感しています。きっかけはブイタマーでの治療を開始してからですがブイタマーの治療を終了された事例があればご紹介ください。
柴田先生 : まずはブイタマーというご自身に合う薬剤が見つかったということは本当に望ましいことと思います。治療終了というと先ほどの完治と似た話になりますが、何らかの出来事をきっかけにまたアトピー性皮膚炎が出てくる可能性はどうしてもあります。
ブイタマーは比較的新しい薬で、乾癬による慢性の炎症性皮膚疾患の方にも使われる薬ですが、ブイタマーで一旦皮膚が良くなると繰り返すまでの期間が比較的長い、つまり塗らなくてもいい状態を維持できる薬という報告が出てきています。このため、アトピー性皮膚炎においても今後そういう臨床経験の蓄積がされていく可能性はあるかなと思います。現段階ではすごく良くなったとのことですのでそれを維持することが大事になりますから、完全に止めるのではなく主治医の先生と相談しながら、外用頻度を少し下げていくということを検討されるといいかなと思います。
質問 : 30代の成人の方です、アトピーですがプロペトでかぶれます。他の保湿方法はありますか。次に、子ども 3 人とも皮膚トラブルが多く保湿剤を使っているけれど、すぐ再燃してしまいます。良い保湿剤を教えてください。保湿剤の質問についてお願いします。
柴田先生 : 1 つ目ですが、本当にプロペトでかぶれているかを見極める必要があって、アトピー性皮膚炎はバリアが壊れているとそこに炎症が残っていてプロペトを塗っても刺激として感じることがあります。ですから、まずステロイドやその他の新規のノンステロイドを組み合わせながら皮膚の状態を良くして、その後プロペトも組み合わせながら使っていくのがいいと思います。
保湿剤にはヘパリン系の製剤、尿素系の製剤が複数あります。使用感が合う合わないもありますから、その中で自分に合うものを見つけていただくのが良いです。また、先発品後発品の中でも合う合わないがあると思いますので、そうした製品も試しながら探していくのがいいと思います。保湿剤だけでなく、炎症を抑えるそしてバリアを高める治療を意識して組み合わせてください。
質問 : アトピー性皮膚炎と鼻炎がありアトピーに対しダニ舌下錠を使って 1 年経ちますが、全然改善しません。次の質問ですが、Jak阻害薬を内服した場合の副作用について教えてください。2 つお願いします。
柴田先生 : アトピーの原因は 1 つではないので、ダニ舌下錠のみで良くなっていくかしっかり考えなくてはいけないです。また血液検査だけで分かるものではなく、皮膚の症状を見て総合的に判断する必要があると思います。
Jak阻害薬の副作用についてご質問ありましたが、一番よく経験するのはニキビです。それからJak阻害薬に関しましては治療の際レントゲンもしくはCTを撮って過去に結核にかかったことがないか肺炎がないか、血液検査ですと治療後に筋肉の酵素とかを調べます。それから肺の腫瘍マーカーが上がる場合がありますので、導入期は特に定期的な血液検査が必要になってきます。
リュウマチの領域ではJak阻害薬は心血管イベントといわれる心筋梗塞などへの注意が必要ですが、アトピー性皮膚炎においてはあまり心配はいらないです。
質問 : 放課後児童発達支援の施設で児童支援者として働いている者です。とても痒がっている子がいて心配です。どうしたらいいでしょう。
江藤先生:この質問はよく保育園なんかの保育士さんからも受けます。親御さんがほったらかしで傷だらけの子を見ると何とかしてあげたいと思うのは良くわかります。でもこれはやはり親御さんの問題であって、親御さんがちゃんと納得しないといけない。
まずちゃんとした治療によって良くなることを一生懸命諭してあげて、皮膚科や小児科に行きなさいと言ってあげてください。勉強会があるところもありますからそういう形で親御さんを説得してください。そして、もし親御さんが保湿剤を塗ってもいいなと思ったらそういう施設でも塗ってあげるのがいいと思います。
(2025年11月 9 日開催講演会より 採録:門井)










