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  • 2 0 2 1

    第596号

    アトピー性皮膚炎Q&A①

    回答 東京大学医学部皮膚科講師 管 析先生
       東京逓信病院客員部長・あたご皮フ科副院長 江藤 隆史先生

    質問 アトピー性皮膚炎に関係するCCL17はコロナに影響があるのでしょうか。

    管先生 CCL17(=TARC)とIgEはアトピー性皮膚炎の重症度と相関していますが、コロナに罹りやすいかどうかは関係ないと思います。ぜんそくでもTARCが高いですが、コロナに罹りやすい、重症化しやすいということもないようです。よって、一般的なアトピーの方がコロナになりやすいとか、TARCが高いとコロナになりやすいということはないでしょう。

    質問 外用ステロイド薬を十分な期間・量を使用しても改善しないことはあるのでしょうか。

    管先生 ステロイドを塗っていても苔癬化が最後まで残ってしまう方がいらっしゃいます。そういう方には、ネオーラルの内服、デュピクセントの注射をすることで苔癬化(固くなった)組織も徐々に改善していくので、中等症、重症に対する治療に加えていくことも良いと思います。

    質問 15歳の子どもに抗体製剤のデュピクセントを試したい場合、紹介状は必要でしょうか。

    管先生 15歳以上でしたら成人としてデュピクセントを使えるので、アトピーに力を入れているクリニック、総合病院や大学病院でのデュピクセント導入になると思います。近くの病院で紹介状を書いてもらい、大きい病院を受診されると良いと思います。

     小児にはまだ保険適用がないのですが、治験が行われているので数年以内には小児にもデュピクセントが使用できるようになると思います。

    質問 アトピー性皮膚炎の重症度は外用薬を使用していない時の指標でしょうか。薬でコントロールできている場合は、重症とはみなされないのでしょうか。

     また、アトピー性皮膚炎の重症者はぜんそくの発症率が高いと聞きますが、軽症・中等症・重症はどこで見分けるのですか。ぜんそくを発症するとしたらいつ頃が多いのでしょうか。

    管先生 外用療法できちんと抑えられていれば、それで皮疹がほぼない状態であれば重症とは呼びません。

     我々が診察する際は、初診時の皮膚の状態と、対表面積のどのくらいに皮疹があるか、そしてIgE値です。IgEが1000以下であれば軽症、1000~5000であれば中等症、5000以上であれば重症と考えています。

     IgEは治療で多少上下はしますが、生まれもった値でありTARCほどは動かないので、IgEの値はその方のアレルギー体質の数値としてはとても参考にしています。

    江藤先生 何も治療しないと、軽症だった方も毎日掻破することでイッチ・スクラッチ・サイクル(増幅する掻破行為)で重症の状態になるので、治療しない状態での重症度というのは全くあてになりません。重症度の判定というのは、ちゃんと治療した時点での評価を受けていただければ良く、子どもの頃から中等症以上にならないように抑えておけば、アレルギーマーチを遮断して、ぜんそくや鼻炎が出てこなくなるというデータも出てきています。

    質問 IgEは変動するのでしょうか。IgEが非常に低い場合、アトピーが悪化することはないのでしょうか。

    管先生 生物学的製剤を使用していると、IgEが1万くらいあった方でも1000とか2000まで下がっているので、より強い治療をすれば劇的に下がります。外用剤では下がっても半分くらいの値という印象があります。

     IgEが全く上がらないアトピーの方もおり、内因性アトピーとも言われています。最重症型にはならない印象がありますが、中等症、重症でIgEが全く上がっていない方もいらっしゃいますので、IgEの数値だけでなく、さまざまな要素が複合的に合わさってアトピーを発症していると考えられます。

     IgEが低くてもかゆがっている方はいらっしゃるので、IgEというのはそういった意味ではあまり指標にならず、TARCがアトピー症状と非常に関連するので、もし患者さんのその時点の重症度を数値で見たいのであれば、TARCもしくはLDHなどを見ていくことになると思います。

    (2020年11月8日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 石崎)

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