5月28日に第94回講演会が開催されました。今回は、「災害とアレルギー疾患・最新治療」と題して、少し従来と異なった視点で、疾患と治療について専門の先生方から興味深い講演がなされました。また、参加者からも多くの質問が寄せられ、大変活発な講演会となりました。終了後に、参加者のみなさまからアンケートの回答をいただきましたので、紹介いたします。
1.講演会の内容についての参考度
講演会は、第一部:専門医の講演と第二部:質疑応答(Q&A)の構成で実施されました。いずれも参考になったと回答された方は多く、満足度の高い講演会でした。
講演会についての感想
⃝アトピー性皮膚炎の事前質疑に対し、ご回答をありがとうございました。皮膚バリアを大事にして、前向きに治療します。皮膚を清潔にし、食物繊維を多くとり、腸管でウイルスを退治できるように体質改善が必要と感じました。
⃝メリハリがあり、わかりやすかった。質問時間が長く、たくさんの先生の意見が入り、参考になった。小児と成人とが分かれて開催されるともっといいかもしれない。
⃝皮膚バリア機構と予防対処方法、食物アレルギーの腸管と経皮感作の違いなど、科学的根拠に基づいた最新の確かな情報を講演いただけた。Q&Aでは、生物学的製剤の前(と共)に外用薬の大切さや、アレルギーをおもちの先生のリアルな対処法を聞くことができた。
⃝私はアトピーですが、それ以外のアレルギー疾患も知ることができて、総合的に参考になりました。また、アトピーの講演では「ひとかきさんかげつ」の言葉とムービーが衝撃的でした。Q&Aでも回答をいただけて大変励みになりました。
2.オンライン開催について
コロナ感染の蔓延により、講演会はハイブリッド(会場参加とオンライン参加の混合開催)としております。現状の開催方式と今後の希望についておうかがいしました。
「感染症の不安がない」、「体調不安時でも参加が可能」、「全国から参加が可能」などウェブによるオンライン参加が可能な講演会に対し、好意的な意見が多くみられました。また、今後も多くの方がオンラインでの参加を希望されています。
3.ぜんそく・アトピー性皮膚炎・食物アレルギーで辛いこと、困っていること
講演で取り上げたこれらの疾患で辛いことや困っていることをおうかがいしました。患者さんの率直な意見を聞くことができました。
患者さんの意見
⃝あとが残る、ステロイドで白く抜けてしまうことがある。学校で体が熱くなってきて急にかゆみが止まらなくなることがある。血だらけになるのをみんなに見られるのが嫌。
⃝重症度も考え方も個々で異なるため、温度差を感じたり神経質になりすぎだと言われたり…逆に、まわりが神経質になり腫れ物を扱うようにされることもあり、難しさを感じます。
⃝呼吸困難感あるいは掻痒感によって夜眠りづらいこと、症状がひどい時は本当に治るのかといった不安に駆られること。
⃝食物アレルギーで長期にわたって治療が続きます。通園している幼稚園やまわりの理解の低さが障壁となることがあります。外食が難しく、食品の表示も業者によってわかりづらいことがあります。
⃝アトピーでずっと苦しかったが、アトピーと診断されずステロイドだけを処方され使い続けてきました。病院を替わり、今は新薬で落ち着いてきています。もっと早く知りたかったし、薄くなった皮膚が良くなったら嬉しい。これからもずっとお薬とアトピーと付き合っていかないといけないので、今後、どう治療を継続していくことになるのかが不安です。