1 かゆみの研究に至った経緯
私は、1994年にアメリカでの留学から帰国した後、一貫してアレルギーについて研究を行ってきました。アレルギーがどうして起こるのかを分子レベルで解き明かし、それを元にアレルギーに対する新しい治療薬や診断薬を開発したいと思って研究に取り組んできました。そうした研究を進めていく中で、ペリオスチンというタンパク質の重要性が徐々に明らかになってきました。アトピー性皮膚炎のみならず、ぜんそく、好酸球性副鼻腔炎、アレルギー性結膜炎など、病気が起こる場所を超えて多くのアレルギーの発症に重要な役割を果たしており、また、血液や喀痰、涙液などで、患者さんの病態をよく反映してペリオスチンの値が上がっていることが明らかとなってきました。 … 続きを読む