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    第629号

    グローバルCOPD患者アドボカシーサミット

    ― その活動に向けて ―

    昨年6月にベルギーのブリュッセルで、世界のCOPD患者を支援する代表の方々とお会いし、COPD患者の悩み、課題を検討し、リストアップして重点課題を絞り込み、協働活動に向けて動き始めました!

    ●経緯
     サノフィ株式会社より、「日本のCOPD等呼吸器疾患患者団体の代表として弊社の国際会議にぜひご出席いただき、日本のCOPDの現状や課題についてご助言をいただきたい」との依頼がありました。日本の実情と課題等を世界の人たちに理解していただき共有することは、わが国のCOPD(ぜんそくと合併している方も一定数いる)患者にとっても大事なことであると考え、出席することとしました。
    ●目的
     COPD患者のアンメットニーズ(潜在ニーズ)に対応するための知見を共有し、世界的に行動する。
    ●スケジュール
     2023年6月13日0時5分羽田空港発→シャルル・ド・ゴール空港着→TGVにてブリュッセル
    6月13日(火)夜 夕食会
    6月14日(水)終日会議(9時~16時)、翌日帰国
    ●場所
     ブリュッセル中央駅の真正面にある、ヒルトン ブリュッセル グランド プレイス ホテル
    ●メンバー
     日本、英国、フランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、米国の呼吸器系およびCOPD患者支援団体の代表者が集まりました。
     各国の代表者はすべて女性でした。開始から終了まで、全参加者が積極的に発言し、熱気に満ち、良い意味での緊張感のある議論がなされ、提案が盛りだくさん出ました。とくに印象的だった、イタリア代表の「何よりもケアが大事」との発言が脳裏に刻まれました。
    ●目標・決定
    1.患者および介護者の支援、エンパワーメントおよびケアについて、アドボカシーが集団としてさらに注視すべき問題をCOPDコミュニティから特定する。
    2.COPD患者とその家族やコミュニティを支援するため、今後の共働の機会となる可能性のある分野を特定する。
    3.全世界のCOPDコミュニティ全体にわたる既存の関係を深めながら新しい関係を築く。
     これらの目標に向けて、まずはCOPDの主要な実態と実情を振り返り、整理しました。
    ①患者は自分の病気が理解できず、必要なケアへのアクセスに苦労している。
    ②患者は偏見、諦め、孤立と闘っている。
    ③啓発活動は増えているが、広がっていない。
    ④幅広い意識、教育、働きかけが必要。
    ⑤COPDのケアにおける慢性的な資金不足と優先化の欠如により、偏見、不平等などが未解決。
     これらについて議論・集約・共有し、各国の現状と課題、調査の必要性と重要性、治療の現状、呼吸リハビリテーションや在宅ケアの重要性などについて多くのことを決定しました。
     参加者からの意見や提案は、COPDに対する私の見方を劇的に変えました。COPDは、タバコだけでなく、遺伝や大気汚染、生活環境問題との関係も深いことを初めて学びました。また、世界のCOPD患者が、息苦しい、息切れがする、痰が絡んで咳が止まらない、酸素療法なしでは生きられないなどで悩む現実、および共通の課題も目の当たりにしました。参加した全員で課題を深く掘り下げ、共有し、連携することの重要性を強く感じました。
    ●希望・決意
     世界中のCOPD患者の生活を向上させるため、COPDの早期発見・治療、重症化の予防と健康寿命の延伸を、世界の方々と協力して推進したいとの思いで、全員が一致しました。
    ●謝辞
     Global COPD Patient Advocacy Summit を企画し、実施してくださった Diaz, Miquel さん、Mary Ruth さん、多くの関係者のみなさまに心から感謝申しあげます。
     なお、事前に製薬業界と患者団体との関係性に関する欧州製薬団体連合会(efpia)行動指針の趣旨(患者団体の尊厳・独立性など)を文書で確認した上で出席しています。

    一般社団法人アレルギー及び呼吸器疾患患者の声を届ける会 代表理事
    認定NPO法人日本アレルギー友の会 理事長              武川 篤之

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