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    第629号

    ぜんそくQ&A①

    回答 順天堂大学医学部内科学教室呼吸器内科学講座准教授 原田 紀宏先生
    司会 安藤・間診療所所長                坂本 芳雄先生

    質問 ぜんそくの咳発作を1回起こすと、点滴やプレドニン内服を数回繰り返しても治りが悪いです。早く治す方法はあるでしょうか。

    原田先生 まずいちばん大事な点としては、普段からの予防をしっかりと行い、良い状態を維持することを心がけておくことです。そうすることで、大きな増悪を起こさずにすみ、1回起こしたとしても速やかに改善させられる可能性がより高くなると思います。そして増悪が起きてしまった時は、初動が大事になります。悪くなりすぎてしまってからでは、必要な薬がどんどん多くなってしまいます。なるべく早い段階で対応することによって、プレドニンの内服や点滴などの回数や用量が少なくてすむ可能性があります。
     もう一つは、治療の期間です。たとえば、内服するプレドニンであれば、体重換算で0.5mg/kg/日くらいを目安にしていただいて、しっかりと症状がなくなるまで使っていただく。症状がなくなった日にやめてしまうと、すぐにまた増悪してしまうことも多くあると思いますので、できたら1日か2日、多めに使っていただく。そのようにして、短い期間で増悪を抑制し、ステロイドをなるべく長く使わずにすませることが肝要です。
     2週間を超えると、今度は副腎不全も懸念しなければならなくなります。副腎皮質ホルモンはもともと自分で作っています。プレドニンでいえば、1錠から2錠分くらいは自分でも作っていますので、それが体外から2週間大量に入ってくると、自分で作るのをお休みしてしまうという事象が起きてきます。そのため、短期に適切な量でしっかりと治療して、早くに改善を得る必要があります。この量で足りなければ、おそらく点滴が必要になってきますし、場合によっては入院も考えなければいけないとお考えいただきたいと思います。
     普段から増悪が起きにくい状況を作るということ、そして増悪が起き出したら、なるべく早くに適切に対処することが大事ではないかと思います。

    質問 気管支ぜんそく20年です。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症に罹患していることがわかり、階段を上るのが辛いです。ステロイドを飲んでいますが、減量すると調子が悪くなるのを繰り返し、良くなりません。仕事をしたいのですが、無理をすると悪化してしまうので、休職期間が長くなってしまいます。

    原田先生 長く、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症を患われ、気管支拡張が進んでしまい、それで呼吸困難が強い状態であるという状況だと、なかなか緩和することは難しいのかもしれません。ステロイドを服用していれば症状が緩和される、やめると悪くなることを繰り返しているということは、ステロイドを服用している間は良い状態であると考えます。一つは重症ぜんそくとしての治療をしっかりと見直していただくことをご検討ください。そしてまた、重症ぜんそくに保険適用があり、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症には保険適用はありませんが、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症に対して生物学的製剤が有効であった患者さんがいらっしゃることは、すでにいろいろと報告があります。生物学的製剤などを駆使して、さらに状態の良い状況を目指し、とくに内服のステロイドをなるべく減らせるようにお考えいただくことが大事ではないかと思います。
     長期にわたって高用量の内服ステロイドを使用すると、残念ながら副作用と付き合っていかなければならない状況が生まれてしまいます。代替薬の使用をいろいろ試されて無理であったのならば、致し方ないと思いますので、必ずステロイドを飲んでいただいて、しっかりとコントロールしていただきたいと思います。もしもまだ試されたご経験がないようでしたら、新しい薬がありますので、ぜひご検討いただけたらと思います。

    (2023年5月28日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 増谷)

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