★発症からいちばんひどかった時の状態
20代前半のある日、突然呼吸困難になり、そこから専門機関で運動誘発性ぜんそくと診断されるまでかなりの時間を要しました。その間、ぜんそく発作や不安からくるパニックや過呼吸、またアレルギー体質で顔や体に帯状疱疹やじんましんをはじめとするさまざまな皮膚トラブルを発症しました。仕事のストレスも加わり押し潰されそうになる日々、体調とメンタルのアップダウンが激しく心身ともに良い時期と悪い時期を繰り返していました。誰かに相談してこの気持ちを話せたら少しはらくになるのに…どこへ行って誰に相談していいのかもわからない…誰にもわかってもらえないもどかしさと苛立ちを一人で抱えていました。
発作が起きるのは必ず寝ている時で、ヒューヒューゼイゼイの状態になると眠りたくても横になることもできず、空が明るくなる頃やっと落ち着いて少しだけ眠り、起きて会社に行く状態でした。寝不足と酸欠気味で頭は重く朝から気分はブルー、駅まで少し急いだだけで呼吸が乱れるので電車の中ではハンカチで口元をずっと押さえ、呼吸音をまわりの人に気付かれないように目を閉じていました。
眠ると発作が起きるかもしれない…今晩は大丈夫かな…という不安が常にあり、毎晩夜になり寝るのが恐くて、いっそ眠らずにすむ体なら良いのにとずっと思っていました。また、何となくぜんそくがある自分が恥ずかしく、家族以外には誰にも口外せずひたすら隠して過ごしていました。
★転機、考え方の変化
吸入薬のおかげでコントロールが可能になり、ぜんそくは落ち着き、同時にアレルギーも落ち着いていましたが、30代前半に1カ月近く病名のわからない極度の体調不良に見舞われました(起きられないほどの倦怠感とだるさ、微熱、ヘルペス、じんましん、ぜんそくなど)。点滴中に少し移動しただけで倒れるほど体力もなく、ベッドの上で天井を見つめ涙が勝手に溢れ出ながら「私は何をやってるんだろう…。自分の体は自分で治そう!」と自分自身に決意表明しました。すると翌日、1カ月間続いていた微熱が下がり始め、同時に気持ちも明るくなっていきました。
当時の私は自己中心的で病気になったのもすべてまわりのせい、自分は何一つ悪くない、保険料を払っているんだから病気になったら病院に行けばいい、病気のことも医者任せで言われるがままでした。しかし、自分のこれまでの考え方が間違っていた!と気付いたことが転機となり、自分で調べ直感を信じ、まずは自然療法で食事を見直し、冷えを取り、呼吸法とヨガを学びました。何度も好転反応がありましたが、根気強く焦らず「頭は間違えても体は間違えないこと」「病気は治すのでなく、病気に学び、生活の改革と心の転回で、体だけでなく運命も健康に巡り合うこと」を知りました。呼吸法を身につけ肺を鍛え、瞑想を生活習慣に取り入れ、今あるがままの自分をそのまま自分自身と向き合えるように日々訓練してきました。
最後にぜんそくの発作が起きたのは13年前(その前は6年前)。発作中も救急車の中でも常に自分を俯瞰して意識化して見ることができるようになっており、心拍数も脈拍も自分で数えられるほど冷静でいられました。
一生治ることはないと言われたぜんそく、アレルギーも虚弱体質も自分なりの養生を続けてきたおかげでいつのまにか克服できていました。辛く苦しく大変な時もありましたが、病気になって気付けたことは本当に多く、その経験を経て今の私がいることに感謝しています。