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    第631号

    ぜんそく患者の私が抗体薬を使って感じたこと

    ―難治重症患者へ最適な医療を―       坂本 直美

    ぜんそくを発症し、苦難と苦悩の日々

     私は1988年、44歳でぜんそくを発症し、36年になります。
     発症して間もなく、三度のアスピリンぜんそく発作を起こして、いきなり重症ぜんそく患者になってしまいました。それからの10年間は入退院を繰り返し、まさにぜんそくとの闘いでした。
     発症から10年後に吸入ステロイド剤が発売され、正しい吸入法を勉強会で学びました。ずいぶん効果が出て、経口ステロイド剤を切るところまではいきませんが、入院することはなくなりました。

    抗体薬使用のきっかけと効果・医療費

     初めての抗体薬ゾレアと出会ったのは2012年です。
     肺炎で入院した時に、治療のためにステロイドがたっぷり入った点滴をしたのですが、退院前にプレドニンの錠剤に替わり、5錠4日、4錠4日という具合に減量して、1錠になったとたんに身体中に湿疹ができ、かゆくてかゆくて眠れないのです。退院してすぐ外来に行き、そこで初めて「これは身体の中でマスト細胞が暴れているので、ゾレアしか効かない」と主治医に言われて、ゾレア注射を打ちました。
     かゆみは1週間で消えましたが、いろいろ驚くことがありました。まず金額です。当時7万円で、3割負担で2万1千円と注射代、それに、吸入薬や飲み薬は今まで通りです。生活がそんなに豊かではないので、ちょっと考え込んでしまったのですが、迷っていられないほど、よく効くのです。
     経口ステロイド剤も週に1錠くらいで過ごせるようになりました。

    抗体薬の副反応、合う合わないは人それぞれ

     ところが長期(2012~2022年)に打っていたら、息切れがひどくなってきました。2本に増やしても、息切れはあまり変わりませんでした。
     そこで先生は「デュピクセントに替えようね」と打ってくださいました。これは2週間おきに1本、自分でおなかのまわりか、太もものあたりに打つのです。
     ところが、デュピクセントを打つようになって、次第に後ろに倒れそうになることが増え、一度は夫が頭を受けて助けてくれました。数日後、意識をなくして倒れていて、自分が自分であることがはっきりしたのは6日目の病院のベッドの上でした。
     では、デュピクセントが誰にも合わないのかというと、そんなことはなく、長いぜんそく友達がデュピクセントのおかげで家事をすべてやり、今では体操や太極拳に通って、いきいきと生活しています。
     もう一つ、ヌーカラを4週間に一度病院で打って効果があった友人は、90歳で50年の苦しみから解放され、家事をやり、ウオーキングは毎日、週に一度はグラウンドゴルフに参加。時には近所の高齢者の相談にものっているとのことで、全く尊敬あるのみです。ところが別の友人は、ヌーカラを打った一度めに、意識がなくなったというのです。
     これらの抗体薬の注射は、合う人、合わない人が、事前の検査でわからないものでしょうか。合わない人が命がけにならないとだめなのでしょうか。

    新薬治療の恩恵に感謝

     80歳になった私は、もう近くのクリニックで治療しようと、5カ所のクリニックに「抗体薬を使った治療をされていますか」と伺い、1カ所見つけました。
     ちょうどそのクリニックに行く前日にテゼスパイアの紹介が掲載された「あおぞら」が届き、持参しました。先生は「これはいいと思っていたんだよ」と、すぐ取り寄せて打ってくださいました。
     帰り道、「息切れって、どんなだったかな?」と思ったほど、よく効きました。注射代のみで1万8千円です。「坂本さん、1万8千円です」と会計から言われると、ほかの患者さんの目が私の背中に集まる気分です。いったい何の病気かしらと思われているようです。

    難治重症患者へ最適な医療を

     中には症状の軽い人もいるかもしれませんが、ぜんそくは難病といえるのではないでしょうか。このようによく効く薬を多くの人が使えるようになったら、発作のたびに仕事を休んだり、入院したりということが少なくなると思うのです。難治性の重症ぜんそく患者に何がしかの補助があればと思います。良い薬が使えれば病気も軽快し、働けるようにもなるのですから。

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