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    第636号

    小児アレルギー・食物アレルギーQ&A②

    回答 東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科教授     勝沼 俊雄先生
       帝京大学ちば総合医療センター第三内科(呼吸器)教授  山口 正雄先生

    質問 2歳児のそばアレルギーが、保育園入園の半年後にわかりました。給食は食べられていて平気そうですが、手や指をかいたりすることがあり、それがそばアレルギーによるものなのか、ほかの皮膚炎なのか原因を調べることはできますか。
     また、給食には、どう対応していけばいいでしょうか。

    勝沼先生 この方の状況がよくわかりませんが、本当にそばアレルギーであれば、集団生活ではしっかり除去してもらうことが大事です。食事制限の原則は必要最低限の除去、そして栄養やQOLに影響を与えないことですから、主治医とよく話し合ってください。
     それから、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎は、関連する場合もありますが、それぞれの対応があります。それぞれの本質は別個なので、分けて考えたほうがいいと思います。

    質問 そばアレルギーの子どもに関して、完全除去食の考え方ですが、症状が出なければ、製造過程でそばが含まれていても大丈夫でしょうか。

    勝沼先生 まずは主治医としっかり相談して、考えを共有することが大事だと思います。食べて症状が出ないのであれば、製造過程でそばが含まれていても、全く問題ないと思います。

    質問 幼稚園に入園を控えています。給食が始まる前に、食べてはいけないものが血液検査でわかりますか。

    勝沼先生 二つポイントがあります。一つめは、3歳であれば、食物アレルギーを発症すればそれまでにわかっているはずです。とくに食物アレルギーと言われていない、認知されていないのであれば、わざわざ血液検査をする必要はないと思います。
     もう一つは、クルミやピーナッツなど食べたことのない食物があって、大丈夫かと心配であれば、小児科の先生に相談してください。血液検査か皮膚テストをすると思います。その結果、何%の確率でこうだよ、と言うことはできると思います。
     もし、小児科の先生に言いにくいのであれば、アレルギー疾患療養指導士(CAI)※のいるクリニックで相談すれば、患者さんに寄り添った対応をしてくれると思います。(アレルギー疾患療養指導士のいるクリニックは、マップ※で出ています。)
    ※CAIマップ https://caiweb.jp/caimap/

    質問 小児は何歳くらいからぜんそくの診断が可能でしょうか。また、吸入薬の処方は、何歳くらいからという目安はありますか。

    勝沼先生 本当の診断は、いろいろな鑑別診断をした上で、さらに、吐いたガスの濃度を測るとか、呼吸機能を測るとか、それを応用した可逆性や過敏性をみるという検査によります。その検査が可能になるのは、8~9歳以上かと思います。
     0~1歳であっても、ゼーゼーを繰り返す場合は、ぜんそく以外の鑑別診断をした上で、ぜんそくのインデックス(たとえば親にぜんそくがある、血液検査でダニやスギ、卵や牛乳に陽性であるといった条件を組み合わせること)により、1回目のゼーゼーなら何%、2回目以降なら何%の確率でぜんそくと予測することができます。それを医師と患者が共有することで、薬を使用することの根拠が出てきます。吸入薬は、0歳児にも処方可能です。

    質問 小児のアトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそくの治療は、いつやめることができますか。

    勝沼先生 食物アレルギーは治ります。子どもの場合、アレルギーの中でいちばん治りやすい病気です。3歳までに7~8割、6歳までに8~9割が治るといわれています。それでも治らない場合に対し、有用な免疫療法を開発したいと思っています。
     アトピー性皮膚炎とぜんそくは、良くなれば自然に治療をやめる、あるいは減ずる方向に向かっていくと思います。

    *最後に、みなさんからよくいただく質問がありますので、山口先生にご回答をいただきます。
    質問 いろいろな薬を飲むと、調子が悪くなります。どうしたらいいですか。

    山口先生 よくいただく質問です。異なる薬効の薬でも、たとえば添加物とか、成分についても共通なものが入っていたりします。今まで飲めていた薬と、だめな薬の成分を突き合わせる作業が必要です。かかりつけ医あるいはアレルギーに詳しい医師とよく相談し、何が使える・使えないのか、成分から解きほぐしていくことが必要です。ぜひ、相談してください。

    (2023年11月12日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 太田)

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