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    第579号

    ぜんそくQ&A②

    回答 東京女子医科大学呼吸器内科教授・講座主任 多賀谷悦子先生
    司会 ふれあい横浜ホスピタル院長        坂本 芳雄先生
    進行 日本アレルギー友の会理事長        武川 篤之  

    編集部の手違いにより、1月号(578号)のp.2に、先生の校正前の原稿を掲載してしまいました。 この改訂版に、改めて正しい「ぜんそくQ&A②」を掲載いたします。みなさまに深くお詫び申しあげます。(編集部)

    質問 ピークフローの数値が300くらいですが、この数値で良いのでしょうか。(70代男性)

    多賀谷先生 ピークフローの値は、人によって正常値が異なるので、自分がいちばん良いと思う状態の値を担当医に聞いて経過観察してください。ご自身で過小評価をしてしまわないように気をつけましょう。もし吸入ステロイドの回数を増やすなどした後に、ピークフローの値が上がるようでしたら、まだ良くなる可能性があるのです。かかりつけの先生に血液中の好酸球の値や肺活量を診断してもらい、ご自身にとって良い値を見つけていきましょう。

    質問 緑内障で目薬のキサラタンを使用していますが、β遮断薬なのでしょうか。

    坂本先生 β遮断薬ではなく、プロスタグランジン製剤というものですので、ぜんそくでも安心して使うことができます。

    質問 消化器系の難病(炎症性腸疾患)に合併するぜんそくの症状と、その治療法を教えてください。

    多賀谷先生 腸に疾患をもつ人は肺にも疾患をもっていることがあります。これは腸と肺が同じグループから発生していることに由来します。炎症性腸疾患と診断されて、その治療でステロイドやペンタサ、抗炎症薬などを服用していても、ぜんそくの症状が出る場合は、吸入ステロイドを増やしていきましょう。

    質問 アレルゲン免疫療法の信頼性と効果について教えてください。

    多賀谷先生 最近では、舌下免疫という治療法があります。吸入ステロイドが普及する以前に活発だった減感作療法が、アレルゲン免疫療法として見直されてきているのです。

     小児科のぜんそく患者には、成長とともにさまざまな抗体を獲得し、ぜんそくが重症化するケースがあります。小児科で免疫療法が見直されている理由はここにあります。3年ぶりに改定されたアレルギー総合ガイドライン2019年にも、治療の項目に記載されています。軽症から中等症でアレルギー性鼻炎を合併した人に有効とされています。また、舌下免疫の効果のある人と効果のない人がいます。治療により血液中の制御性Tリンパ球が増える人には効果があるといわれています。

    坂本先生 吸入ステロイドが普及するようになってから治療法に進歩がありません。最近、生物製剤の話を聞くようになりましたが、それ以外に目立った進歩がない領域です。免疫療法(減感作療法)が見直されてくると、またその効果も期待できると思います。

    質問 早朝、突然の咳から苦しくなります。ネブライザー吸入、ステロイド点滴を3~4日連続治療すると治ります。ピークフロー値が下がり始めると気をつけていますが、普段どうすごしたら良いでしょうか。プレドニン5㎎を服用中ですが、現在進行性低γグロブリン血症を発症しています。(55歳男性)

    多賀谷先生 生物学的製剤が効く可能性があります。米国のガイドラインによると半年以上ステロイドを服用する人は、難治性ぜんそくです。ステロイドを服用していると、副腎皮質が低下します。長く服用している人は副腎の機能をみてもらいましょう。また、ぜんそく発作を起こさないように、吸入ステロイドをうまく利用していきましょう。吸入の回数を増やす、種類を変えるなどを実施して良くなることもあります。また、進行性低γグロブリン血症を発症しているようですが、免疫グロブリン補充療法をするとぜんそく発作が起きにくくなりますので、主治医に相談してみるといいと思います。

    質問 普段、シムビコートでぜんそくの症状は落ち着いていますが、今年2月に発作が起きました。エアコンによるカビが原因かと疑いました。抗アレルギー薬も服用に含まれていたのですが、自己判断で服用していません。抗アレルギー薬に良い印象がないのですが、ぜんそく治療に抗アレルギー薬を投与するのは一般的なことなのでしょうか。(60代女性)

    多賀谷先生 抗アレルギー薬を処方することは一般的です。アレルギー反応として、ヒスタミンやロイコトリエンなどの気管を収縮する作用や、くしゃみの原因となる物質を薬で抑えます。抗アレルギー剤にはいくつかの種類がありますので、かかりつけ医にも相談しながら、薬への理解を深めながら、安心して予防と治療を続けていくことが大切です。

    (2019年6月2日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 冨澤美穂)

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