質問 エリスロマイシンを、朝夜200mgずつ、2年以上飲んでいますが、エリスロマイシンの長期内服で何か問題になることはないですか。
関谷先生 エリスロマイシンは、ほかの疾患のデータで好中球の非2型の炎症を抑えるという報告があって、痰を減らすために使っていることが多いです。ただ、アレルギー学会のぜんそくのガイドラインでは、エビデンスが明確でないという理由で今回の改定でエリスロマイシンの長期服用が削除されました。一方、喘息学会のガイドラインには残っています。なぜかというと、効かないというデータもないからです。それで、どちらを優先に考えたかでガイドラインが変わっています。ですから、痰が減ったり、ぜんそくの悪化が抑えられたりしているようであれば続け、効いていなければ中止するのも選択肢かと思います。
坂本先生 今、百日咳がはやっています。エリスロマイシンなどの薬はマクロライドといいますが、マクロライド系の抗菌薬が効かない菌がずいぶん増えています。マイコプラズマも百日咳も流行しているのは、マクロライド系の抗菌薬の使用頻度が高いことが関係しているかもしれません。このため、もし可能なら飲まないほうがいいと思います。
ただ、ぜんそくの状態改善に必要だと主治医の先生が判断されるなら、そのまま続けていいと思います。あと、非結核性抗酸菌症などはこれしか効かないので、薬をずっと使っているとそういう菌に耐性が生じることが危惧されますので、考慮の上で使ってください。
質問 受動喫煙もぜんそく増悪の要因になり得るのでしょうか。
関谷先生 受動喫煙もぜんそく増悪の要因になり得ます。あと、ベランダで吸えば大丈夫ということではなく、服に付いた有害物質を家に持ち込むことになりますし、電子タバコもニコチン以外の有害物質を吸入することになるので、ぜんそくに関しては推奨されていません。
質問 運動をすると発作が起こります。家庭でネブライザーも使用していますが、吸入では治らず、点滴をすることが多いです。主治医はそれでも運動しても良いと言いますが、点滴が必要になっても肺機能を高めるため運動したほうが良いのでしょうか。
関谷先生 ぜんそくは基本的に吐き出せなくなる病気です。運動で高まるのは吸い込む力ですので、無理して運動する必要はないと思います。ただ、運動によって吸い込む力が増えれば吐き出す量は増えるので、そういう意味で、運動には意味があります。
運動の前にサルタノールなどの気管支拡張薬を吸ったり、抗ロイコトリエン薬を使ったりすると、運動時のぜんそく誘発を予防できる可能性があるので、うまく使ってください。ただ、発作を起こすほどの運動は意味がないと思います。
質問 アスピリンぜんそくは治りますか。
関谷先生 アスピリンぜんそくは痛み止め薬へのアレルギーではなく、ロイコトリエンが過剰に産生されてしまう体質です。
ロイコトリエンがどこから出ているかというと、基本的には鼻茸(鼻のポリープ)から出ているといわれています。鼻茸の手術をしてアスピリンが飲めるようになった方々がいます。ただ、鼻茸の再発率は5年で100%といわれていて、難病に指定されている難治病態ですので、生物学的製剤で再発を予防していけばアスピリンが飲めるようになるかもしれません。ただし治療をやめると鼻茸が戻って、痛み止めによって大きい発作になるので注意が必要です。完治は難しいと思います。
質問 39歳でぜんそくと診断され、30年経過しています。現在4カ月ごとに病院に行き、アドエア250を処方してもらい、夜のみ1回吸入しています。年に1、2回、疲れや風邪などで小発作が出た時はすぐ受診して、状態に応じてアドエアを朝晩2回使用しています。モンテルカストやプレドニンなどももらっていますが、このような薬の使い方はどうでしょうか。
関谷先生 症状から、このような治療がベースの一般的な治療です。
年に1回とか2回肺機能が下がる方々は症状に慣れていて、自分では気付かないうちに徐々に肺機能が下がり、息苦しくなって初めて気付くということがあります。ですから年に1、2回、肺機能が低下していないかどうか確認していただきながらであれば、全く問題ないと思います。できればプレドニンに頼らない治療ができたら良いと思います。
(2025年6月8日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 門井)










