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    第584号

    気管支喘息の克服を目指して ―過去から未来へ―②

    公益財団法人結核予防会(JATA)複十字病院 院長 大田 健先生

    治療ガイドラインの歴史

     (2009年ガイドラインについて、前号の続きから)吸入治療薬では、ドライパウダータイプ、配合剤ができ、フルチカゾン、サルメテロール、ブデソニド、ホルモテロールが市場に出ました。

     また、吸入ステロイド薬(ICS)の使用によりぜんそく死が減るというデータも示され、ますますICSを中心にした長期管理が広がりました。

     IgEに関しても見直しが起きました。大人といえどもだいたい4分の3程度の方は家のほこりの主成分であるダニに感作されている状況にありました。そういった中で、IgEが抗原を認識しないよう、細胞の表面にくっつかないようにすればいいということで、モノクロナール抗体が作られ、IgEをブロックすることで、受容体に行きつかず漂った状態になり、受容体も減るということまでわかりました。

     抗体製剤の臨床治験では、発作とステロイド使用量が著明に減ることが示されました。

     2009年は配合剤の出現、抗IgE抗体療法、そして治療ステップとして治療の強さが表現されるようになったことも、GINA(Global Initiative for Asthma)にとって大きなことかと思います。

     同時に、いろいろな薬剤の組み合わせができるようになり、それぞれの薬剤機能のスペクトラムという認識をもちながら吸入ステロイドと組み合わせ、ガイドラインの中で位置づけられています。

     さらに改訂が進んだ2015年、新しく長時間作用性の抗コリン薬(チオトロピウムという薬剤に限られている)が、治療ステップ3と4に入りました。抗コリン薬というのは気道を収縮させる収縮物質(アセチルコリン)をブロックする一方で、β刺激薬は、収縮している状態を広げる作用がある。両者が違うところに働きながら、それぞれが気道の拡張を保っています。

     これらの背景から、新しいガイドライン2018年が現れました。ステップ2から長時間作用性β刺激薬LAMAが位置づけられ、新しい抗体製剤(抗IL-5抗体と抗IL-5受容体α抗体)、気管支熱形成術サーモプラスティ(Bronchial Thermoplasty)が表記されました。

    難治性ぜんそくについて

     今いちばん問題になっているのは、強い治療をしてもコントロールしきれない難治性ぜんそくの方々です。難治性ぜんそくとどう取り組むかが国際的な大問題になっています。

     実際に難治性ぜんそくに相当するのは全体の約5~10%という少ない方

    々ですが、経費では全体の半分を占め、大きな負担になっています。

     治療を行ってもうまくコントロールできていない時は、まず謙虚にぜんそくの診断が正しいのか否かが一つの疑問になります。続いて、前述(前号掲載)の高校生の患者さんのように、処方された薬を実際には服用していない、あるいは、吸入療法で吸入の仕方が悪いなどの問題点もありえます。

     もっと積極的に医療の介入が必要なのは、環境因子や合併疾患が正しく管理されているかというところです。

     治療内容、服薬アドヒアランス等について検討した次に、避けるべきものとして、わかっている人はアレルゲンや合わない薬剤を回避する。そして、何よりも喫煙に関しては、我々がより介入する必要があると考えます。

     45歳までの間にタバコを吸っているか吸っていないかでは、男女ともに吸っている患者さんのほうが明らかに1秒率の低下がみられます。この点がもっともっと世の中で知られればいいと考えます。さらに喫煙は吸入ステロイドの作用を抑え、半分以下にするというデータもあります。禁煙が、COPDに限らず必要なことは明らかです。

    (2019年10月27日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 池田栄江)

    会員の方にこの講演の資料をお送りいたします。
    事務所まで電話、FAX、メールにてお申し込みください。
    また、講演内容の動画も配信していますので、メールでお申し込みください。

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