再燃と標準治療への転換
成長とともにアトピーは少しずつ落ち着き、小学生以降は比較的安定した日々を過ごすことができました。ところが、進学を機に一人暮らしを始めたとたん、アトピーが再燃。かゆみや皮膚の炎症に、本人も大きなショックを受けていました。私も「また、あの長く苦しい日々が始まってしまうのか」と、不安でいっぱいになりました。
私は再びインターネットで情報を探し回り、「このサプリが効いた」という体験談を見つけて、息子に試すよう提案しました。半年間、彼は毎日、片手に収まりきらないほどのサプリメントを黙って飲み続けました。しかし、期待した効果は現れず、ついには息子に「もう、やめよう」と言われてしまいました。
彼自身も、自分なりにいろいろと調べてはいたようです。ただ、幼い頃からステロイドの使用を私がためらってきたことで、彼にも「ステロイドは使うべきではない」という固定観念が根付いてしまっていたのかもしれません。
そんな時、日本アレルギー友の会のホームページに出会いました。多くの体験談と、標準治療に関する正確な情報に触れ、個別相談にメールを送ったところ、温かい返信とともに友の会で常任顧問をされている江藤隆史先生を紹介してくださいました。
すぐに予約を取り受診。江藤先生は息子の全身をていねいに診察し、「大丈夫、きちんと薬を塗れば、必ず良くなるからね」と、息子の肩をポン!とたたき、笑顔で言ってくださいました。その一言に、私は「よかった。これでもう大丈夫だ」と涙がこぼれそうになりました。
塗り方の指導を受け、毎日欠かさず軟膏を塗るようにしました。最初は不安もありましたが、状態を見ながら塗布量や回数を調整し、治療方針に納得して取り組むことができました。すると、息子の肌は目に見えて改善し、夜もぐっすり眠れるようになり、笑顔も戻りました。
クリニックには、同じようにアトピーに悩む患者さんが多く、その姿に息子は「みんな頑張っているんだね」と、仲間がいることに勇気づけられたようでした。そして、成人した現在ではスキンケアのみで良好な肌の状態を保てています。
家族の試練と気付き
息子のアトピーがひどかった当時、私たち家族の生活の質(QOL)は著しく低下していました。かゆみで眠れない、外出もままならない、集中できない…もちろんいちばん辛いのは本人ですが、見守る家族にとっても辛く大変な日々でした。当時は「少しでも良くなってほしい」という一心で、さまざまな治療法を試みました。しかし、その「治したい」という強い気持ちが、かえって息子に大きなプレッシャーを与えていたのではないかと感じています。ここまでくるのに、本当に長い時間がかかりました。けれど、そのすべてが今の穏やかな日々へとつながっているのだと思うと、あの苦しみさえも意味のあるものだったと、少しずつ思えるようになってきました。
今、悩んでいるご両親へ
私は多くの遠回りをしましたが、最終的にたどり着いたのは「標準治療」でした。そして、その治療を支えてくれたのは、信頼できる医師と、友の会で得た正しい知識でした。炎症が強い時には、ためらわずに「必要な薬を使うこと」、そして「信頼できる医師と一緒に治療に取り組むこと」が、何より大切だと身をもって学びました。
今、ネットやSNSではさまざまな情報があふれ、戸惑い、何を信じて良いのかわからなくなることも多いと思います。だからこそ、今まさにアトピーで悩んでいるお母さん、お父さんへ心から伝えたいのです。
「大丈夫、標準治療で必ず良くなります。どうか自分を責めないで」と。
この体験が、誰かの力になりますように。










