質問 食物アレルギーとアトピー性皮膚炎は関連がありますか。
山田先生 最近は、皮膚からアレルゲンが入って食物アレルギーになるといわれています。皮膚からアレルゲンが入るためには皮膚に湿疹がある、つまりアトピー性皮膚炎がある状態で離乳食を摂ると皮膚からアレルゲンが入り、食物アレルギーになりやすいのかという点をお聞きかと思います。
食物アレルギーに関連するアトピー性皮膚炎についてはガイドラインや手引きに記載されていますが、年齢が上がるごとに両者の関わりが少なくなっていくと記載されている文献もありますから、とくに小さい赤ちゃんの場合、関連が深いということがいわれています。
山口先生 今のご質問で、食物アレルギーに関連するアトピー性皮膚炎というお話がありました。これ自体、小児科の先生と皮膚科の先生の共同作業で作られた病名ですが、産みの苦しみのようなものがありましたか。
山田先生 講演の中でもご説明しましたが、皮膚の湿疹と食物アレルギーの関係がいろいろと明らかになってきています。皮膚科と小児科との間でそうした情報が共有できるようになってからは、だんだん同じ話ができるようになってきたと思います。
質問 食物アレルギーと腸内細菌叢の関係について最近話題になりますが、どういう関係があるのでしょうか。
山田先生 最近は食物アレルギーと腸内細菌叢の関係についての報告が増えてきています。これは技術革新が進んだことで、昔は細菌培養しないとわからなかったことが、遺伝学的な検査が可能になって網羅的な解析ができるようになり、いろいろな事実がわかってきたからです。
腸内細菌叢は幼少期に形成されるといわれていて、その後は基本的に修正がききません。腸内細菌叢が壊れることでアレルギーになりやすくなるといわれ、乳児期の抗生物質の使用は将来のアレルギーの発症に関係している可能性があります。乳児期にいい腸内細菌叢を保持することがとても大事になると思っています。
質問 給食で初めての食品を摂取してアレルギーが発症する際、アナフィラキシーとじんましんのどちらが多いですか。
山田先生 これは、すでにアレルギーをもっている方が、ちゃんと管理指導表を書いてあって初めて給食で食べるのか、それとも管理の解除ができて給食が食べられるようになった初めてなのかで変わってくると思います。
食べられるようになったということは、それなりに注意して解除していますので、激烈な症状が起こることは少ないと思います。しかしそうではない場合、知らないものでアレルギーを起こす時はアナフィラキシーの可能性もあります。
具体的な食べ物によっても違い、アレルギー食物はただ感作されているだけかもしれないので、そうした状況に合わせてかかりつけの先生に相談されると具体的な対処法などがわかると思います。
質問 卵アレルギーの場合の、生卵についておうかがいします。食物経口負荷試験で生卵の摂取可能を確認しないと、卵は寛解と診断しないのでしょうか。
※編集部注:同内容の質問が複数ありました
山田先生 加熱卵で確認できていれば解除していることが多いです。生卵については、以前食物アレルギーの専門の先生が集まる会で医師の中からそういう質問が出ましたが、生卵までは負荷していないという答えが圧倒的多数でした。加熱卵が日常生活で問題なく食べられるようになったら、生卵についても徐々に緩めていくという指導をされている先生が多いですね。
質問 牛乳のアレルギーですが、何cc飲めれば寛解と診断しますか。
山田先生 比較的明確にいわれている基準では、日常摂取量で考えて、年長さん以上になると200ccパックの牛乳が給食で出てきたりするので、年長さん以上で200cc、それまでは150ccの牛乳が飲めたら一応寛解、または解除としていることが多いと思います。
山口先生 学校などの給食で安全に摂取できるというのが基準なのですね。
(2025年6月8日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 門井)










