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    第603号

    体験談 アトピーの問題は患者と医療とのコミュニケーションの問題①

    神奈川県 樋原 卓人(35歳)

     僕は、人前に出るのが嫌になるほどのアトピーにずっと悩まされてきましたが、ステロイドを効果的に使ったプロアクティブ療法を試し、今ではほとんどステロイドを使わないですむ状態までになっています。

     でもそれまでには、皮膚科を転々としたり、インターネットに載っている脱ステロイド療法をいくつも試したりと、いろいろな経緯がありました。

    ★アトピーとの付き合いは幼少期から。思春期は写真を撮られるのも嫌なほどに

     子どもの頃にもアトピーはありましたが軽症で、最初に明確な変化があったのは、高校2年生の頃でした。

     身体の一部にしか出ていなかった炎症が全身へと広がっていき、顔全体にまでひどく炎症するようになりました。目立つ場所に炎症が広がったのはその時が初めてで、写真に写るのが嫌で撮影されるシチュエーションを避けてたのを覚えています。

    ★一人暮らしを始めて一度は改善。しかし転職・引越を機に再び悪化

     高校時代に悪化したアトピーでしたが、卒業・就職を機に一度は改善していきます。実家を出て一人暮らしを始めたところ、1年ほどで症状は治まり、パッときれいになったのです。

     でも、転職を機に再びアトピーに悩むことになります。

     仕事を辞め、引越をしたのがきっかけでした。最終的には頭皮や耳の中、隠部や太もも、足の先までひどく炎症するようになりました。

     皮膚科に行っても何も話は聞いてもらえず、ただステロイドを出されるだけ。「どうせ効かないんだけどな」と思いながらもただ診察されるばかり。そんな皮膚科には最初の一度かかったきりで、もう通わなくなってしまいました。

    ★ステロイドによる治療に疑問をもち、脱ステロイド療法へ

     「医者の出す薬を使っても良くならないということは、もしかして治療法が悪いのでは?」―効果を感じられない治療への疑問が大きくなった僕は、アトピーについてインターネットで調べるようになりました。そこで出会ったキーワードが「脱ステロイド」です。“アトピーが治らないのはステロイド自体が悪く、ステロイドを使わずに体の中の毒素を排出すれば良くなる”―それは、ステロイドに疑問をもっていた僕が飛びつくには、十分すぎる言葉でした。

     独自の栄養を摂取するやり方、毒素を排出させるやり方など、調べればいくつも出てきます。「水が悪いのでは?」と思って、お風呂にビタミンCや竹炭を入れてみたこともあります。

    ★脱ステロイドを諦め、ステロイドを使う「プロアクティブ療法」に出会う

     もう脱ステロイドは無理だ―そう思い始めたことをきっかけに、二つめの転機が訪れます。「ステロイドで治った人の話はないのだろうか?」と思い、情報を調べ始めることにしたのです。

     脱ステロイドについて調べている中で、「インターネットを調べても脱ステロイドを勧めるブログは大量に出てくるのに、ステロイドで治した人のブログが出てこないのは不自然だ」と感じていたのです。調べてみると、ステロイド治療の推移を記事にしてくれているブログを見つけることができました。このブログで僕は、「プロアクティブ療法」という治療法があること、そしてプロアクティブ療法による入院治療でアトピーが治っている人がたくさんいるという事実を知り、衝撃を受けたのです。

     「こんなにキツい思いをするくらいなら、いくら身体に悪かろうが、たとえ寿命が縮まろうが、ステロイドで抑え込んでやろう!」

     そして僕は、自己流でプロアクティブ療法を始めることにしたのです。(つづく)

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