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    第588号

    2020年7月26日開催 ぜんそく患者オンライン座談会①

    テーマ「これからのぜんそく治療について」

    参加者自己紹介

    司会・栗本 現在の治療は、月1でヌーカラの注射、シムビコート吸入、スピリーバ吸入とユニフィルとカルボシステイン、あとはアレジオンとモンテルカストです。ほかの病気でステロイドも内服しています。

    池田 治療は、3剤配合のテリルジー吸入、カルボシステイン、アンブロキソール、クラリスロマイシンの長期少量服用です。声がれが、かなりひどくなっていまして、声がれを克服するのはなかなか難しいかなと思っています。

    # 私も、ぜんそくのほかにも原因不明の慢性の気管支炎を数年前から患っていて、悪くなった時にはステロイドの高用量点滴の治療を受けています。それをやったおかげで、今は比較的元気に過ごしているような状況です。

    増谷 今の治療は、月1回のゾレアと、複数の吸入薬、クラリスロマイシンの少量長期療法、モンテルカストを基本にしています。

    M.S. 小学校2年くらいの時に発症しました。ひどかったのは小学校の時で、いろいろ治療して大分治まったのですが、季節の変わり目や香りなどで咳ぜんそくが出たりします。ちょっと音が聞こえたり、違和感を感じたりするのでシムビコートをお守りとして持つ程度です。難病があり、ぜんそくとの兼ね合いが難しいです。

    丸山 私は、ぜんそくは1歳からで、小さい頃は小児ぜんそくのほうがひどかったのですが、高校生くらいからアトピーのほうがひどくなりました。ぜんそくは治ったと思っていたら、50歳くらいから、風邪をひいた時にまた息苦しさが出てきまして、今はフルティフォームを吸っています。

    武川 今から25年くらい前に成人ぜんそくと診断されました。早めに専門医の治療を受けたので症状が全く出なくなり、治ったと思っていました。しかしながら完全に治ることはなく、何年間かたつと症状が出てきます。ここ7年くらいは症状が出なかったのですが、最近時々胸がモヤモヤし、息が苦しくなったりしています。

    コロナ禍における受診

    栗本 新型コロナウイルス感染症の流行で、何か変わったことや思うことはありますか。

    池田 受診するのが怖いと感じます。コロナ患者さんを受け入れている病院なので、警戒しています。通院は車で行くようになりました。担当医の配慮から、受診間隔が月1回から3カ月に1回になりました。

    増谷 一度だけ電話診療で薬の処方を受けましたが、現在は通院しています。コロナで診察間隔が広がり、自己管理が求められるようになりました。

    M.S. 外出が怖く、診療が辛いです。感染予防をしない人に怯えています。診療は、コロナ前からネットで処方箋を送って薬を受け取るしくみがあり、活用しています。

    栗本 電話受診のメリット、デメリットはどうですか。

    増谷 感染のリスクが減るのがメリットです。電話は処方箋をもらうための受診になるので、先生に相談できることが限られるのがいちばんのデメリットです。実際の診察と電話だけではずいぶん違います。

    池田 私が行っている病院ではオンライン診療はなく、普通通りの通院です。先生から「必要以上に不安にならず、普通に生活していれば大丈夫」と聞いても、不安は残ります。

     小さな発作が出た時に、オンライン受診で一言、二言相談できれば安心便利と思います。

    病院のゾーニングについて

    武川 診ていただいている病院のゾーニングはどうなっていますか。検温と問診だけのゾーニングで本当に大丈夫なのかという心配はありませんか。

    池田 ゾーニングは一般患者にはわかりにくいですね。CTや呼吸器検査などはコロナと非コロナで共有されているのではないかという心配もあり、患者側にもゾーニングについて積極的な情報提供が欲しいです。

    栗本 新型コロナウイルス感染症の診断にはCTなどが必要なので、たとえ消毒されていたとしても、本当に安全なのか心配です。病院の入口で症状のある人、ない人に分けても、結局は症状のない人から感染し、院内感染につながったケースもあると聞いています。無症状者の対応は難しいと思います。

    M.S. 私は、感染予防対策ができていない病院には行かないよう徹底しています。

    増谷 私もゾーニングについては、病院側からの積極的な発信を希望します。

    栗本 新型コロナウイルス感染症患者担当の医師を受診する場合、医師自身の対策がどうかも気になります。

    医師とのコミュニケーション

    栗本 オンラインだと不便な点はどうですか。

    池田 オンラインは対面より聞きにくいのではと思う。

    増谷 病院はコロナの対応で大変だと思います。今までと同じような診療を今は我慢しなければと感じることもあります。調子が悪くなった時が心配です。

    M.S. 我慢はストレスですね。

    池田 そもそも、医師とのコミュニケーションに難しさを感じることがあります。去年の「おしゃべりカフェ」で栗本さんからコミュニケーション方法についてアドバイスを受けましたが、いざ実践となると、なかなか難しいです。

     たとえば事前にメールなどで患者情報を先生に把握していただき、診察の日に回答を得られれば、患者が知りたいことを十分に聞けるのではないかと思います。

    栗本 なかなか新しい意見ですね。

    丸山 たとえば、画面共有でぜんそく日記を提示し、先生とお話しして、ここで急に悪くなった際どうしたらよかったかなど、アドバイスをもらえるといいですね。オンラインだからこそ、可能なこともあるのではないでしょうか。

    M.S. 私も対面の時は、頭が真っ白にならないよう、箇条書きのメモを持参し、聞くことを忘れないようにしています。

    武川 世界の潮流は、日本でも一部そうですが、スマホを介して自分の状態(データ)を専門医とかかりつけ医が共有する。自宅でピークフローメーターなどを使用し、オンラインで先生方は受診前に肺活量、肺気量、血圧などの情報を把握し、気道の状態・対処法を共有できて、指導してもらえるような時代にきていますね。さらに、長引いたり、悪化したりした際には専門病院でCT検査や、さらなる診療ができる地域医療連携体制が、オンラインだからこそできると思います。

    新薬について

    増谷 昨年、症状が悪化し、内服などの治療をしてもなかなか改善しなかった時がありました。ゾレアを使うようになったのはそれからです。

     もともと、ゾレアのことは友の会を通じて使われている方の話を聞いていました。始めるに際し、先生以外からの情報があったことは良かったです。ゾレアを始めて3カ月頃から効果を感じるようになり、風邪をひいても少し軽くなったと感じます。体調をみながら、今も続けています。

    栗本 私は3年前からヌーカラを使っています。

     肺炎で入院中に発作が出てぜんそくが悪化し、先生から注射を提案されました。当時の選択肢はゾレアとヌーカラでしたが、数値を見て自らヌーカラを希望しました。注射は先生から提案されましたが、最終的には自分で薬を選びました。

     かなり悪かったピークフロー値が、ヌーカラを始めて以来、ぐんぐんと上がりました。まだ息切れはするものの、その度合いも改善しました。副作用もなく、ヌーカラを使って本当に良かったと思います。

    増谷 栗本さんは好酸球のテストはされましたか。

    栗本 血液検査をしています。

    増谷 私もテストしたら好酸球は低かったです。ただ、プレドニンを飲んでいると数値が低くなるようです。

    栗本 そうですね。プレドニンを飲んでいると低くなります。私もプレドニンを飲んでいるので、そんなに(好酸球は)高くないですが、それでもヌーカラを注射してみたらとても効果がありました。池田さん、ゾレアを使っていた頃どうでしたか。

    池田 3年前に1年半ほど注射を続けましたが、2カ月目からぜんそくが劇的に改善している実感がありました。拡張剤の吸入をやらなくても過ごせるまでになりました。

    武川 みなさんは、抗体医薬を使って、ステロイド薬が減ったのでしょうか。

    増谷 減りました。それまでは、風邪などで悪化したら、多量の内服薬を飲んでいたのが、内服の量はかなり減りました。

    栗本 私の場合、ぜんそく発作が起きたら、ステロイド薬を増量して飲んでいましたが、今では予備薬も必要ない状態です。

    池田 そうすると、気持ちも楽ですね。ステロイド薬を服用していると不安に駆られますが、気持ちも解放されますね。

    (レポート 池田)

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