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    第630号

    ぜんそくQ&A②

    回答 順天堂大学医学部内科学教室呼吸器内科学講座准教授 原田 紀宏先生
    司会 安藤・間診療所所長                坂本 芳雄先生

    質問 ぜんそくのために造影剤(CTを撮る時などに使う、血管に注射する薬)が使えないと聞きますが、どのような影響がありますか。

    原田先生 これはアレルギーをおもちの患者さん全般に関わるご質問だと思います。アレルギーを起こしやすい方は、どうしてもアナフィラキシーのリスクがあります。
     造影剤というのは、アレルギーを起こすかもしれないものをダイレクトに血管に注射されてしまうので、もしこれがアナフィラキシーを起こすことになってしまうと、致死的になるリスクが非常に高いので、体質的にアレルギーをおもちの患者さんに対してはリスクを勘案して、注射しないということになっています。
     ただ、どうしても造影剤を使わなければならない理由がある場合には、事前に少し多い量のステロイドを内服していただくことを2回行ってから造影剤を使うというプロトコルがありますので、必ず医師と相談して、必要な時には適切に使うことも検討していただく。ただ、アナフィラキシーを一度でもご経験された方は、なかなか厳しいと思いますので、担当のお医者さんとよく相談していただけたらと思います。

    質問 ぜんそくと診断され、6年になります。現在は高用量のエナジア、気管支拡張薬、抗アレルギー薬、プレドニゾロン2mgなどを服用しています。以前は毎月のように発作が起き、ステロイドの点滴が欠かせませんでした。現在はかなり落ち着きましたが、朝晩はやはりせきこみます。この咳もなくなる状態は望めるでしょうか。

    原田先生 ぜひ良くなることを望んでいただいて、症状がない状態にまで改善できたらと思います。
     たとえば、今、高用量のエナジアをお使いですが、ほかの吸入薬もあります。いろいろ試されて、ここに落ち着いていらっしゃるのであれば、取り替えるすべはありませんが、ご自身に合った吸入薬をローテーションで試していただくことも一つの方法です。
     そしてまた、できたらブレドニン2mgの内服を終了できるように、考えていきたいところがもう一つあります。今現在、5種類の生物学的製剤類を使用することができます。もちろん、ご自身のアレルギー体質の問題で使えない方や、ぜんそくのタイプによってはなかなか効果が望めない方がいらっしゃるのも事実です。使ってみないとわからないということもありますので、ぜひ担当の先生とご相談いただいて、できればプレドニンの内服を終了できる、かつ、症状が出ないような状況を望んでいただきたいと思います。

    質問 気持ちが悪い、あるいはしんどい、その原因がセレベントの副作用と判明しました。現在、ステロイド吸入メインで、少し不安があります。スピリーバを追加することになりましたが、効果判定はどうしたら良いのでしょうか。

    原田先生 吸入ステロイドにスピリーバを追加すると、よく効いていれば咳、痰、あるいは息切れといった症状が緩和されているのではないかと思います。たとえば客観的なデータとして、おそらくスピリーバを加えることによって、100ccから150ccくらい、一秒量も上乗せされているのではないかと想像します。一方、いちばん大事なことは、副作用なく使えているということと、症状緩和がしっかりとできているかどうかということですので、ご自身の症状をメインに考えて、効果をみていただきたいと思います。
     また、気管支を広げるβ2刺激薬はほかにも製剤があります。セレベントが使えなくても、たとえばサルタノールなど短時間作用型のβ2刺激薬やホクナリンテープを少ない用量から試していただく。薬を変えたり、少ない用量から使用すると慣れてきてだんだん使用可能となる患者さんを経験します。これらも使えない場合は吸入ステロイドと抗コリン薬の吸入で、ぜひとも治療を続けていただきたいと思いますが、増悪した時などはβ2刺激薬の短時間作用型が多く使われますので、いろいろ試していただくことも大事ではないかと思います。

    (2023年5月28日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 増谷)

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