記事ごとに探す

キーワード

検索する期間

月 から

月 まで

カテゴリ一覧

  • 講演会
  • 編集室
  • 相談窓口から
  • 新薬紹介
  • 寄稿
  • 勉強会・患者交流会
  • 体験記(食物アレルギー)
  • 体験記(気管支喘息)
  • 体験記(アトピー性皮膚炎)
  • ニュース(友の会関連)
  • ニュース(一般)
  • その他
  • イベント告知
  • イベントレポート
  • アレルギー専門病院めぐり
  • 600号特別記念号
  • 2 0 2 4

    第630号

    小児食物アレルギーQ&A②

    回答 帝京大学医学部小児科教授 小児アレルギーセンターセンター長
       小林 茂俊先生
    司会 帝京大学ちば総合医療センター第三内科(呼吸器)教授
       山口 正雄先生

    質問 サインプレートやビブスに、寛解したアレルゲンも記したほうが良いでしょうか。以前作成したサインプレートなどにはいろいろ書きました。寛解したアレルゲンを外したものを作るべきでしょうか。

    小林先生 寛解の度合いによりますが、日常的に食べていて、量も制限がなく、給食でも食べている、そんな状況が半年、1年と続いていて、風邪をひいた時や少し体調が変わった時でも症状が出なければ、外しても良いと思います。
     ただ、最近解除したばかりだとどこまでで安定しているかわからないため、私なら書きます。個々の状況で異なりますので、主治医の先生にご相談いただければよろしいかと思います。
    質問 食アレで、原因の食べものが変化する背景は何でしょうか。また、成人の話ですが、小麦が原因物質として1位になっています。今後も小麦の1位は続きますか。
    小林先生 大人の食アレは、多分小麦1位が続くかと思いますが、最近花粉食物アレルギー症候群による成人食物アレルギーが増加していますので、変わるかもしれません。
     子どもでは、最近くるみのアレルギーが急増しています。くるみの消費量がここ10年で2倍になっていることもありますが、パンやお菓子、ドレッシング、パスタソースなど日常的なものにくるみが入るようになったことも原因の一つと考えられます。ほかの国でも同様の変化があって、たとえばお寿司ブームのアメリカではイクラアレルギーが増えています。このような変化は、食生活の変化とともにこれからも起こると思われます。

    質問 何回かアナフィラキシーで病院に受け入れていただきました。万が一、被災した場合に備えて備蓄をしていますが、配布される食品の表示はどのくらい信頼して良いですか。

    小林先生 理想的には、2週間分のアレルギー対応食を備蓄することがまず第一だと思います。食品の配布は、配布する組織のスタッフの知識のレベルや、アレルギーに対する配慮によってかなり違うと思いますので、一概にお答えすることはできません。配布されたものを食べる時、必ずスタッフに確認することが必要です。曖昧な返事のものは食べないという選択もやむをえないと思います。

    質問 現在、お薬手帳は紙媒体を利用中で、災害時も考えてコピーを防災バッグに入れています。お薬手帳のアプリを知りましたが、いざ災害という時にアプリが使えるか不安です。やはり紙のほうが良いですか。

    小林先生 私はいろいろ薬を飲んでいるので、紙と電子アプリの両方を使っています。災害の時はとにかくバックアップが大切です。紙と電子アプリ両方を使っていただいた上で、持ち出し袋にはお薬手帳のコピーを入れておくなど互いに補完しあえるようにしておくと良いと思います。

    質問 災害で薬を持ち出せなかった場合、どうしたら良いでしょうか。常時持ち歩かなければならない、すぐに取り出せるようにすべき薬の量は何日分でしょうか。

    小林先生 状況によっては何も持ち出せないことはあると思います。広範囲に地震が起こった時など、自分がいるところから動けないこともあるでしょう。そのような場合は支援を待つしかないと思います。
     一例ですが、私はいろいろ持病があるので、自宅に最低でも1~2週間分は備蓄しています。またカバンの中やポケットに3日~1週間分は薬を入れています。複数の手段でバックアップしていくことが大切だと思います。

    質問 生物学的製剤を処方され、自己注射用として持っている方がそれを自宅で冷蔵保存している場合、災害時に持ち出して、その後の保管はどのようにしたら良いでしょうか。

    小林先生 生物学的製剤はなかなか難しいと思います。そもそも避難先の気温が何度か(夏だと30度以上になるかもしれません)、そういった状況で薬はどのくらいもつのか、現時点ではデータはないと思います。とても大切な課題だと思いますので、ぜひともメーカーの方には、何らかのデータを出していただけるとありがたいですね。
     生物学的製剤が使えない時に備えて、その他の治療を普段からきっちり行うことで悪化しにくいようにすること、生物学的製剤が使えない状況でもその他の治療をしっかりと継続して少しでも悪くならないようにすることが大切かと思います。

    (2023年5月28日 日本アレルギー友の会講演会より、採録 河野)

    第630号の他の記事

    第96回
    アトピー性皮膚炎・小児食物アレルギー・ぜんそく講演会と
    Q&A
    専門医が伝えるアレルギー治療の進化
    〔講演会場参加とオンラインのハイブリッドで開催〕

    主催 認定NPO法人 日本アレルギー友の会
    後援 厚生労働省・東京都・千葉県・独立行政法人 環境再生保全機構
       公益社団法人 日本医師会・公益財団法人 日本アレルギー協会
       一般社団法人 日本アレルギー学会
       一般社団法人 日本小児アレルギー学会
       公益社団法人 日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科医会

     アレルギー治療は進化しており、新薬や新しい治療法によって症状が改善される方が増えてきています。みなさんが日々  | 続きを読む |

    ぜんそくQ&A②

    回答 順天堂大学医学部内科学教室呼吸器内科学講座准教授 原田 紀宏先生
    司会 安藤・間診療所所長                坂本 芳雄先生

    質問 ぜんそくのために造影剤(CTを撮る時などに使う、血管に注射する薬)が使えないと聞きますが、どのような影響  | 続きを読む |