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    第576号

    ぜんそく実践講座 ~おしゃべりカフェにて~

    バンビ―薬局一番町店管理薬剤師 黒木 隆弘先生

     去る2019年8月24日、アレルギー友の会事務局にて、ぜんそく実践講座・患者交流会が行われました。

    ぜんそくの悪化要因

     ぜんそくの悪化要因の代表的なものと、その対策を挙げます。

    〇喫煙(受動喫煙も含む): 呼吸機能を低下させ、ぜんそくを悪化させます。また、喫煙によって吸入ステロイド薬の効きが悪くなることや、妊娠中に喫煙することで、生まれてくる子どもにぜんそくやアレルギーが発症しやすくなることもわかっています。

    〇呼吸器感染症: 風邪、インフルエンザ、肺炎など。対策としては、外出時のマスク着用、帰宅後のうがい、手洗い、予防接種を受ける(インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン)といったものが挙げられます。

    〇アレルゲン: アレルギーの原因となる物質であり、例としてダニ、カビ、ペットの毛、フケ、花粉などが挙げられます。

     対策としては、ホコリをためない(ダニ、カビ、ペット)、湿度を上げない(カビ)、飼わない(ペット)、マスク、メガネ、室内に持ち込まない(花粉)などが挙げられます。アレルゲンは人によって異なるので、ご自身のアレルゲンを特定し、適切な対応をとることが重要です。

    〇メタボリックシンドローム・肥満: ぜんそくの悪化因子であり、発症因子です。内臓脂肪に含まれる脂肪細胞がぜんそくを悪化させる物質を出すこと、気管支周辺の脂肪細胞のすき間に炎症を引き起こす細胞が集まることなどが原因で、ぜんそくを悪化させます。

    〇気象の変化: 気圧や気温の変化によって、ぜんそくが悪化することがあります。前日との気温差が激しい時や、台風などで気圧が大きく変化する場合には注意が必要です。

     対策としては、事前に医師と打ち合わせ、悪化しやすい期間・時期は、薬の量や種類を増やすなどの工夫をするといいでしょう。

    〇大気汚染や煙: 汚染された大気には、気道を刺激する物質が含まれています(PM2.5など)。屋内でも、線香の煙、調理の湯気、建材に使われる化学物質などでぜんそくが悪化する場合があります。

     対策としては、屋外ではマスク、メガネなどを着用し、大気汚染注意報時は外出を控えるなどがあります。屋内では、こまめな換気も効果があります。

    〇ストレス: ストレスによって、体内のマスト細胞などから炎症物質が出るため、ぜんそくが悪化する場合があります。対策としては、ストレスを受けることが前もってわかる場合は、その時だけ治療を強化する方法があります。また、ストレスを上手に解消するなどの工夫も重要です。

    〇アルコール: 飲酒によって、気管の粘膜がむくむことでぜんそくが悪化します。また、アルコールを分解する際に発生するアセトアルデヒドがぜんそくを悪化させます。ぜんそくの状態が悪い場合はお酒を控えましょう。

    〇アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs;解熱鎮痛薬): アスピリンぜんそく(解熱鎮痛薬ぜんそく)の方は、アスピリンをはじめとする解熱鎮痛薬を服用した時に、非常に強いぜんそく症状などを引き起こします。内服以外にも外用(貼付、塗布など)でも反応しますので、注意が必要です。

    〇β遮断薬: 高血圧や緑内障の治療に使用する薬剤です。気管支を収縮させる働きがあるため、ぜんそくの場合、β遮断薬は原則的に使用できません。ぜんそく以外の病気で病院にかかる際(とくに高血圧や緑内障の治療)には、ぜんそくであることを必ず医師に伝えましょう。

    まとめ

     ぜんそくの主な悪化要因と対策について簡単にまとめてみました。

     ぜんそくの悪化要因は個人差が大きいため、対策が必要な悪化要因は人によって異なります。定期的な検査、ピークフロー測定、ぜんそく日記の記載などの自己管理によって、自身の悪化要因と傾向をつかみ、主治医と打ち合わせ、上手に対応してください。

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