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    第600号

    アレルギーと100年後の「輝かしい未来」を見つめて

    当会療養相談員 佐藤 瑞穂

     「輝かしい未来」には、「今後の行く末が非常に希望に満ちたようすであること」という意味がこめられているそうです。「あおぞら」には不謹慎なタイトルとおしかりを受けそうです。

     しかし、アレルギーの治療は日進月歩の勢いで進んでいます。ぜんそくに絞っても、約20年前にたった1剤から発売された、それまでにない強い吸入ステロイド薬(フルタイド)は、剤型や配合剤が追加され、多彩なレパートリーから選べるようになりました。令和になった現在も、多くのぜんそく患者を救っているのは揺るぎない事実です。また、重症患者向けの生物学的製剤は、この10年で4剤まで増えました。これらのおかげでぜんそく患者は充実した日常生活が送れるようになり、入退院を繰り返していた重症患者は病院のベッド上から解放されました。

     自身のことについてふれさせていただきたいと思います。

     約30年前、小児科から呼吸器内科へ診療科が変わってから、何度か危険な状況に見舞われました。「緊急入院」「大発作」「孤独」など、今思えば目を覆いたくなる苦痛を幾度も繰り返してきました。しかし、医師運には恵まれていました。その先生方との出会いがなければ、今この世に存在していないと思います。

     「あおぞら」に体験記が初掲載されたのは、1996年(平成8年)12月発行の301号でした。当時はまだ入退院を繰り返していましたが、ある程度の希望の光は見えているところでした。

     その3年後に福島から上京しましたが、東京での友の会活動が上京理由の一つでした。まさに未来が変わり、夢を実現させた人生のターニングポイントでした。

     友の会スタッフとは20年以上にわたり喜怒哀楽を共にしてきました。時には失敗し迷惑をかけたこともありました。しかし、いつ、どんな時も、どんなに辛い時でもお互い励まし合い笑ってきました。療養相談員として活動できる原動力は、知識や経験だけでなく、個性あふれるスタッフのおかげです。

     しかし、今なおコントロールに苦しんでいる患者がいます。吸入ステロイド薬や生物学的製剤を経済的負担に感じている患者がいます。悩める患者に寄り添うために、事務所では今日も明日も受話器を握りしめています。

     未来は変わります。アレルギーと100年後の「輝かしい未来」―患者、先生方、そして友の会…すべての方につかんでもらいたいと願ってやまないのです。

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