2020年、新型コロナウイルスによる未曾有の災禍の中で私たちの生活は大きく変わっていきました。ソーシャルディスタンス・ステイホーム・クラスター・三密・オンライン診療など普段聞き慣れない言葉がテレビなどで毎日のように使われるようになりました。また東京都をはじめ、全国各地に緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出の自粛が求められる中、さまざまなことが中止となり、人々は自宅で過ごす時間が多くなりました。
当会でも緊急事態宣言により、活動を制限せざるを得ませんでした。ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの疾患をもつボランティアが中心となって活動しているため、事務所へ来ることで感染リスクが高まることを懸念したものです。そのような中でも、アレルギー疾患をもつ人の悩みは継続しており、当会の情報を必要とする方のために活動を続けてきました。
コロナ禍の中でさまざまな情報があり、ぜんそくは当初基礎疾患とされ、重症化リスクがあるなどさらなる不安が患者を襲いました。当会では患者のみなさまの不安を少しでも軽減するため、「あおぞら」を通して新型コロナウイルスに対する正しい情報を専門医にご寄稿いただき提供したり、患者の立場からのメッセージを伝えてきました。そして「あおぞら」を待つ全国の会員のために、毎月の発行は欠かさず継続してきました。
また、ニューノーマル(新しい生活様式)が求められる中、当会の活動も安心して参加していただけるようにオンラインを活用したものに変えていきました。講演会・おしゃべりカフェ(患者交流会)・実践講座などはZoomを使いオンライン開催とすることとしました。療養相談も電話、メールのほかにオンライン相談もできるようにしました。当会の運営会議や「あおぞら」編集会議も、他団体や賛助企業との打ち合わせもオンラインでするようになりました。講演会等をオンラインで開催することにより、新型コロナウイルス感染の不安からの回避はもちろん、全国各地や海外からも参加できる、体調や天候に左右されずに自宅から参加できるなどのメリットがあることもわかり、以前より幅広く多くの方にご参加いただくことができました。
このように、コロナ禍の中でも、アレルギー疾患で悩む方々のため、当会はさまざまな工夫をしながら活動を続けています。600号特別記念号発行にあたり、その記録を残したいと思い、世の中の動きとともに当会の活動をご紹介いたします。
青字:世の中の動き 黒字:友の会の活動
2020年 |
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1月 | 16日 |
新型コロナウイルス 日本国内で初の感染者を確認 |
30日 |
WHO(世界保健機関)が「国際的な緊急事態」を宣言 |
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2月 | 5日 |
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」船内で感染者確認 |
10日 |
国内で初の新型コロナウイルス感染症による死亡者を確認 |
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11日 |
WHOが新型コロナウイルスの感染による疾患を「COVID―19」と命名 |
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25日 |
新型コロナウイルス対策基本方針が決定 |
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29日 |
当会事務所にて開催予定の第26回アレルギー週間協賛行事 ぜんそく・アトピー性皮膚炎 実践講座と患者交流会を感染拡大の影響を鑑み中止 |
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3月 | 1日 |
大相撲春場所無観客開催決定 |
6日 |
世界の感染者数10万人超え |
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11日 |
WHOがパンデミック(世界的大流行)を宣言 |
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16日 |
『日本アレルギー友の会 50年のあゆみ』発行 |
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マスクの品薄状態が表面化 |
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24日 |
東京オリンピック・パラリンピック延期決定 |
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4月 | 1日 |
「あおぞら」4月号に「新型コロナウイルスCOVID―19についてぜんそく患者からの切なる願い」と題して、武川理事長から国への対策要望、メッセージを掲載 |
2日 |
世界の感染者数100万人超え |
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7日 |
政府が7都府県に緊急事態宣言発令 |
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7日 |
東京都の緊急事態宣言発令に伴い、当会事務所での業務を停止 |
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16日 |
政府が緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大 |
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16日 |
東京都アレルギー情報navi.に、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う、花粉症やぜんそくであることを周囲に理解してもらいたい方が活用できるイラストが公開され、当会ホームページでも紹介 |
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18日 |
日本での感染者数1万人、死者数200人超え |
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28日 |
緊急事態宣言下であるが、「あおぞら」5月号を全国の会員に発送するため、感染に注意し最低限の人員で、事務所にて作業を行う |
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29日 |
2020年度第1回運営委員会を初めてオンラインで開催。以後「あおぞら」編集会議も毎月オンラインで開催 |
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5月 | 4日 |
緊急事態宣言5月31日まで延長決定 |
7日 |
厚生労働省「新しい生活様式」を公表 |
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ZoomなどWEB会議システムの活用広がる |
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21日 |
世界の感染者数500万人超え |
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25日 |
緊急事態宣言全国で解除 |
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26日 |
緊急事態宣言の解除に伴い、事務所業務再開。「あおぞら」6月号の発送作業や理事会・総会の開催に向けての作業などを、感染予防のため、窓や入口のドアを開放し、アルコール除菌にて作業台や事務机をふく、密にならないようソーシャルディスタンスをとるなど対策をしっかりとして行う |
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31日 |
第89回講演会を新型コロナ感染症拡大の影響により中止 |
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6月 | 7日 |
第19回通常総会を事務所にて開催 |
27日 |
アトピー性皮膚炎患者座談会「これからのアトピー性皮膚炎治療について」初のオンライン開催。新型コロナウイルス感染拡大により、オンライン診療など新しい診察方法も出てきたが、患者としてどのような受診方法が望ましいのか、また次々と発売される新薬との向き合い方について話し合う |
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28日 |
世界の感染者数1,000万人超え |
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7月 | 1日 |
世界的コロナ禍による不安な毎日にアレルギー患者が対応できるよう、「あおぞら」7月号に常任顧問の坂本芳雄先生、江藤隆史先生より専門的立場から患者への特別寄稿を掲載 |
26日 |
ぜんそく患者座談会「これからのぜんそく治療について」初のオンライン開催。コロナ禍における受診、病院のゾーニング、新薬についてなどコロナ禍ならではのぜんそく患者の悩みや思いを話し合う。この頃は「ぜんそく患者は新型コロナに感染すると重症化しやすい」、ぜんそく薬として使用されている吸入ステロイドが新型コロナの治療に有効ということにより「ぜんそくに処方される薬剤が不足するのでは」という情報もあり、不安をもつ人もいた |
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8月 | 22日 |
ぜんそくおしゃべりカフェを初のオンラインにて開催。全国から参加があり、もともとマスクは一年中つけているが、コロナの影響で入手しづらくなり困ったなど、ぜんそく患者ならではの悩みを話し合う |
29日 |
アトピーおしゃべりカフェを初のオンラインにて開催。全国から参加があり、多くの方が脱ステロイドを経験しているが、標準治療をしているほうが症状が安定しているなどの体験を語る |
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9月 | 17日 |
菅義偉内閣発足 |
26日 |
NHK・Eテレ番組「チョイス」アトピー性皮膚炎の最新治療に取材協力 |
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28日 |
世界の感染死者数100万人超え |
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28日 |
「喘息WEB市民公開講座」にて患者の立場から講演 |
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30日 |
所轄である東京都の実地調査を受け、認定NPO法人資格の継続認定を受ける |
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10月 | 1日 |
米トランプ大統領、コロナに感染発覚 |
1日 |
オンライン療養相談開始(毎週土曜日13時・14時)。感染拡大により来訪による相談が難しい状況の中、アレルギー疾患に悩む方が相談できるオンライン相談を開始 |
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20日 |
東京都アレルギー情報navi. に「アトピー性皮膚炎でステロイドを使っても良くならないケース」について療養相談からわかる事例を寄稿 |
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11月 | 8日 |
世界の感染者数5,000万人超え |
8日 |
第89回講演会「アレルギー疾患治療の進化と新たな課題」を初のオンライン開催 |
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14日 |
オンラインで開催された「アトピー性皮膚炎患者の課題に関するコンサルタント会議」に患者代表として4名が参加 |
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12月 | 14日 |
「Webで参加するアトピー性皮膚炎市民公開講座」に「自分らしく生きる~アトピー地獄から生還~」のタイトルで患者の立場から講演 |
20日 |
日本の感染者数20万人超え |
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2021年 |
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1月 | 7日 |
政府が1都3県に緊急事態宣言発令 |
13日 |
緊急事態宣言11都府県に拡大 |
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18日 |
国内で英国型変異株感染確認 |
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27日 |
世界の感染者数1億人超え |
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2月 | 2日 |
栃木県を除き、緊急事態宣言を3月7日まで延長決定 |
4日 |
日本の感染者数40万人超え |
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17日 |
国内で医療従事者に新型コロナウイルスワクチン接種開始 |
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26・27日 |
Global Patient Partnership Summit「Transforming Health Together」に参加 |
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27日 |
アトピー性皮膚炎実践講座とおしゃべりカフェをオンライン開催 |
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28日 |
緊急事態宣言、首都圏を除く6府県で解除 |
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28日 |
ぜんそく実践講座とおしゃべりカフェをオンライン開催 |
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3月 | 1日 |
「あおぞら」3月号に「コロナ禍でぜんそく患者ができること」としてファーマライズ薬局東十条店管理薬剤師 黒木宏隆先生の寄稿を掲載。この頃から「ぜんそく患者はコロナに感染しにくい」との情報があるが、感染しないということではないので日頃のコントロールが大切というメッセージをいただく |
5日 |
1都3県の緊急事態宣言3月21日まで再延長決定 |
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20日 |
東京オリンピック海外客受け入れ見送り決定 |
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21日 |
1都3県の緊急事態宣言解除 |
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25日 |
東京オリンピック聖火リレースタート |
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4月 | 1日 |
「まん延防止等重点措置」3府県に適用 |
1日 |
「あおぞら」4月号に「新型コロナワクチンのアレルギー性副作用について」帝京大学ちば総合医療センター第三内科(呼吸器)教授 山口正雄先生の寄稿を掲載。新型コロナウイルスに対するワクチンの効果が期待され、アナフィラキシー等の副反応も報じられる中、アレルギー患者の不安に対するアドバイスをいただく |
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9日 |
日本の感染者数50万人超え |
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12日 |
高齢者へのワクチン接種開始 |
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14日 |
「COVID―19流行下における喘息管理Medical Webinar」講演会にて「新型コロナウイルス感染流行下において患者が医療に望むこと」のテーマで講演(オンライン開催)対象:開業医師2,000名 |
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17日 |
世界の感染死者数300万人超え |
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20日 |
まん延防止等重点措置10都府県に拡大 |
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25日 |
4都府県に緊急事態宣言発令 |
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30日 |
世界の感染者数1億5,000万人超え |
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5月 | 2日 |
日本の感染者数60万人超え |
7日 |
緊急事態宣言5月31日まで延長・6都府県に拡大 |
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16日 |
緊急事態宣言9都府県に拡大 |
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23日 |
緊急事態宣言に沖縄県を追加 |
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24日 |
国の大規模ワクチン接種始まる |
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28日 |
緊急事態宣言6月20日まで再延長決定 |
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6月 | 6日 |
第90回講演会 |
8日 |
オンラインでの患者団体リーダー(3団体)によるアドバイザリーボードに参加 |
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12日 |
日本の感染死者数1万4,000人を超える |
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21日 |
ワクチン職域接種、全国で本格的に開始 |
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7月 | 1日 |
患者の実態を社会に伝えるアンケート実施 |
1日 |
『アレルギーの臨床』41(7).2021に武川理事長の寄稿文「患者から見た「アレルギー疾患対策」の課題と今後―アレルギー疾患のチーム医療と均てん化への道―」掲載 |
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1日 |
日本の感染者数、80万人を突破 |
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8日 |
東京都に4度目の緊急事態宣言発出を決定(7/12~8/22) |
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23日 |
1年延期となった東京オリンピック、東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県の会場では無観客で開幕 |
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25日 |
「あおぞら」600号特別記念号座談会(アトピー部門)をオンラインで開催。テーマ「アトピー性皮膚炎患者の現状・治療の未来と希望」 |
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29日 |
1日あたりの新規感染者数、初の1万人超え |
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8月 | 1日 |
「あおぞら」600号特別記念号座談会(ぜんそく部門)をオンラインで開催。テーマ「ぜんそく患者の現状・治療の未来と希望」 |
13日 |
日本の感染者数110万人を突破 |
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24日 |
1年延期となった東京パラリンピック開幕 |
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28日 |
ぜんそくおしゃべりカフェをオンラインにて開催 |
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29日 |
アトピーおしゃべりカフェをオンラインにて開催 |